VVFケーブルと銅価格の関係について

生活のあらゆる場面で欠かせないVVFケーブルの中には銅線が通っているのはご存じかと思います。

古くなったケーブルは売って新しいものに買い替える人もいるでしょう。

電線やケーブルの価格は、銅の値段の影響を受け、安くもなれば高くもなります。

この記事ではVVFケーブルを含めた他のケーブルと銅線、銅の価格との関係性を解説します。

専門的な用語をできるだけ使わず、初心者でも分かりやすい内容になっています。

銅価格はどのように決まる?

そもそも銅の価格はどのように決まるか知っていますか?

銅の価格は銅建値とも呼ばれ、日本国内では銅建値は、「JX日鉱日石金属株式会社」が決めています。

JX日鉱日石金属株式会社が銅建値を営業日に毎日発表しているので、それをチェックすることでその日の銅の値段が分かる仕組みです。

銅の価格は為替などの変動によって10,000円単位で改定されるので、株やFXなどと似たようなものです。

また銅が取れる主な国は、アメリカ、ペルー、ロシアなどで、これらの国の情勢も銅の価格に影響が出ます。

例えば戦争などがはじまり、銅の輸入が滞ればケーブルの価格が上がりますし、相手国の情勢が落ち着いていれば銅も安定的に入るので、一定の価格を維持することができます。

銅を買うなら、銅建値と銅が取れる国の状況もチェックしておきましょう。

VVFケーブルは銅価格に与える影響

VVFをはじめ、ケーブルの買い取り価格は銅の価格が変われば影響を及ぼす可能性があります。

しかし、それが必ず全てのケーブルに影響が出るとは限りません。

一部のケーブルの買い取りに影響が出にくいのは、銅素材として買い取るのではなく、ケーブルとして買い取っているからです。

10%程度の値上がりでは買い取り価格には影響は出ませんが、完全に新品のケーブルを買うとなると影響が出る場合もあります。

ただし、銅価格が値上がりしていないにも関わらず、問屋が勝手に銅価格のアップを理由に購入価格を上げていることも…。

VVFケーブルをはじめ銅線などをできるだけ安く買い、高値で売りたいなら、銅価格をチェックしておきましょう。

 

銅価格の影響を受けやすいケーブル

ケーブルはVVFだけでなく、複数の種類があります。

まずは、銅価格の影響を受けるケーブルを見てみましょう。

 

CVT

電力用ケーブルとして幅広く普及しているケーブルです。

単芯3本の寄り合わせ形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース電線になります。

10%程度の値上がりでは買い取り価格には影響は出ませんが、完全に新品のケーブルを買うとなると影響が出る可能性があります。

 

CV

同じく架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルで、住宅や商業施設、病院など色々な建築物に使用されています。

 

CVV

導体がビニールなどの絶縁体で巻き、さらにビニルシースなどで覆われた制御用ケーブルです。

工場や発電所、信号伝送用、エアコンの信号線や計測機器配線などによく使われます。

 

CVVS

発電所やプラント内の制御回路に使われ、特に125mm²程のものが良く採用されます。

 

IV

多くの場面で使われるケーブルで、電気機器用配線や建築物内や制御基盤内の廃線として使われます。

またスイッチやコンセント類の渡り線などにも採用されています。

 

VVF

低圧屋内廃線として良く使われる電線で、空調機などの機械設備機器への電源供給にも使用されます。

メリット

これらのケーブルは、太いものは銅の割合が大きくなるため、銅の価格の影響が強くなります。

逆に細いケーブルは使われる銅の量が少ないので、銅価格の影響を受けにくいです。

銅建値の変動に合わせて売買をベストなタイミングで行うことができます。

 

銅価格の影響を受けにくいケーブル

一方、銅価格の変動の影響を受けにくいケーブルは以下の通りです。

 

警報用ケーブル	AE
通信ケーブル	CPEV、CCP‐P、LANなど
耐火ケーブル	FP
耐熱ケーブル	HP

 

一般的に、使われているものではLANケーブル、そして病院などで使われる警報用ケーブルなどがあります。

そして、意外にも耐火や耐熱ケーブルも銅価格の影響を受けにくいケーブルです。

 

メリット

これらのケーブルの良いところは、銅の価格を気にすることなく、好きなタイミングで新品のケーブルを購入しやすい点です。

前もって予算を立てられますし、建築業の人には扱いやすいケーブルといえます。

経費への影響をできるだけ抑えるなら、前もって大量ロッドで仕入れることをおすすめします。

たくさん買う場合は少し安くしてくれる問屋さんもあるので、自分のいる現場や会社に合いそうなところを探してみましょう。

まとめ

VVFケーブルをはじめ、使用している銅の量と売買時の銅建値によって値段が変動します。

建築系の仕事をしていると、必ずケーブルは使用するので覚えておきたいところです。

どのケーブルが銅の価格に影響するかは、ケーブルを買ったり売る前に確認しておきましょう。

また銅の売買価格は業者や問屋によって違うので、複数見積もりを取ることも大切です。