◎AIR JORDAN 6 (エアジョーダン6)を徹底解説！

エアジョーダン、NIKE

こんにちは。今回もエア・ジョーダンシリーズの解説を書いていきます。本日のテーマはあの桜木花道（スラムダンク）が最初に履き、またジョーダンをNBAナンバーワンに押し上げた「6」。果たしてどういったモデルなのでしょうか？詳しく見ていきましょう。

製品の構想・設計

エアジョーダン6は、マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズが念願のNBA制覇を達成したシーズンに、ジョーダンが着用していたモデルです。

シューズの設計においては5までのモデルから根本的に思想が変わりました。これまでは、シューズの素材を重ね合わせることで、シューズの剛性や耐久性を上げていたのですが、「6」からはスケルトンという構造を採用したのです。1つのパーツをベースにアッパー全体の構造をシンプルかつしっかりとしたものにして、シューズを作り上げることにこだわりました。この構造は後につづくハイテクシューズ・ハイテクバッシュにも引き継がれ、「6」はハイテクバッシュの先駆けとして今でも認知されています。

「6」のもう一つの特徴は「プレーン・トゥ」です。より素足に近い感覚を追求したジョーダン。彼の希望により、爪先部分は大きく広げられ、指を動かす自由度が増えました。またくるぶし部分にもサポートが施され、とても履きやすくまたプレーしやすい一足となっています。

デザイナーは、ティンカー・ハットフィールドが務めました。ドイツ車をモチーフにシューズのデザインを進め、ポイントポイントでエッジを効かせ彼のカラーを出しています。またエアジョーダンシリーズでは、外からエア部分が見えるビジブルエアが採用された最後のモデルとなりました。これ以降のモデルは、ジョーダンの希望により、エアは内部に格納・機能強化が図られることとなります。

発売時期

1991年発売。

オリジナルのカラーバリエーションは、White Infrared・Black Infrared・Carmine・Maroon・Sport Blueの5色です。

一番人気はWhite Infraredですが、他4色の人気も高く、どれも発売以降複数回にわたって復刻版も発売されています。世界中で愛されているモデルと言えるでしょう。

NBA優勝

宿敵ピストンズに、3シーズンに渡ってプレーオフで苦杯をなめてきたブルズ。ジョーダンが「6」を履いた90-91年シーズンは念願のNBA優勝を達成します。レギュラーシーズンでチームは61勝を挙げ、文句なしのカンファレンストップを維持。ピストンズの壁を破るため、ジョーダン自身もそれまでのスタイルを変え、当時監督だったジャクソンの方針通りボールを他のチームメートと分かち合うことを意識しました。これは彼のこのシーズンの平均得点が過去数年で最低の31.5点だったことからも見て取れます。

プレーオフでは、ピストンズと4年連続の対戦。昨シーズンは3勝4敗とあと一歩及ばずでしたが、この年は4勝0敗でストレートに制します。NBAファイナルでの相手は、マジック・ジョンソン率いるロサンゼルス・レイカーズでした。ブルズは4勝1敗で勝利。当時のスーパースター軍団を蹴散らし初優勝を決め、またジョーダンはファイナルMVPを受賞したのでした。

スラムダンク秘話

エア・ジョーダン6は、人気バスケ漫画「スラムダンク」でも取り上げられたことから、日本でも人気が爆発しました。

作中では桜木花道が入手しますが、その際、スポーツ用品店の店長から30円でぶんどったエピソードは覚えている方お多いのではないでしょうか？その後意気揚々と練習に履いていった花道はさっそくメンバーに「踏み踏み」されてしまいます。

2014年には、なんとスラムダンクの1シーンがシューズ本体に描かれたモデルも登場しました。このときはエアジョーダン6と当時の最新モデル「ジョーダン・スーパーフライ3」の２パターンが世に出され、漫画家の井上雄彦は自身のツイッターで「30年後にこういう靴が出るんだよと当時の自分に言っても信じないだろう。ついに、このコレクションが実現しました。バスケとの出会いに感謝。ありがとう」とコメントしています。