AIR JORDAN 3 (エアジョーダン３)を徹底解説！

エアジョーダン、NIKE

こんにちは。今回もエア・ジョーダンシリーズの紹介をしていきます。取り上げるのは「エア・ジョーダン３」！ソール内に閉じ込められていた「AIR」の部分が顔を出した初のモデルです。

さて、開発背景にはどんなストーリーがあったのでしょうか？

製品の構想・設計

本モデルは、バスケットボールシューズにしては珍しく、ミッドカットのみで展開されました。シュータン部分に初めてジャンプマンロゴが採用され、よりナイキ色が薄められた形・ジョーダンの存在感を全面に出した形でデザインされました。

また、ほぼ同時期に開発されていたランニングシューズ「エア・マックス」の影響を受けて、ヒール部分に搭載されたエアがミッドソールから露出しているのが特徴と言えます。ロゴを消すことといい、エアをデザインに取り入れることといい、相変わらず、ナイキ、攻めています。

フロント部分と側面にデザインされたゼブラ柄はストリートやファッションを意識したデザインでしょうか。バスケットコートから外への展開も開発時から意識していたことが伺えます。マイケル・ジョーダンの存在感から、スポーツ界の外からも注目を集めていたシリーズでしたし、ストリートも盛り上がりを見せていた時期でもありました。さまざまな要素が欠け合わさって、人気の土台ができ上がったといえますね。

ただし、エア・ジョーダンの人気が急上昇するにはもう少し時間が必要でした。

モデル自体は、エアやゼブラ柄に注目が集まりがちですが、それでもバスケットボールシューズとしての基本は忠実に守ったモデルとも言えます。

マイケル・ジョーダンはこの頃から、その才能を爆発させていきます。昨シーズン悩まされたケガを克服し、所属するブルズはプレーオフ常連のチームへと成長していきました。

跳躍力のあるシュートから、「エア」の通称で呼ばれていたマイケル・ジョーダン。ジャンプマンロゴと合わせて、その存在感をNBAの内外に発揮していきます。彼の魅力は優れたオフェンスだけでなく、ディフェンス能力の高さにもあります。スティール王にも輝いたことのある、そのセンスと実力。今彼のプレー動画を見ても、その魅力は色あせることはないのです。

発売時期とシューズ

1988年

前作は、イタリアづくしなどある意味振り切ったプロダクトとも言えました。ナイキとしてはチャレンジではあったのですが、売上は想定していたものとは違っていたようです。今作はアメリカでの開発に戻り、前述のようにバスケットボールシューズの基本を意識したプロダクトづくりとなりました。

「バッシュ」と聞くと、今でこそくるぶしの保護を備えたハイカット、3/4カットをイメージする方も多いですが、足を自由に動かすことや俊敏性を考えた場合、常に大柄なシューズが有利というわけではありません。ミドルカットで足首の自由度を高めたシューズにもプレイヤーの需要はあるのです。

今モデルに用いられた各パーツは、「１」に似て、若干大ぶりです。革の張り合わせを変えて、それぞれのパーツを大きく仕上げました。ゼブラ模様のパーツもあるのですが、比較的シンプルに纏められたと言えることもできるでしょう。

前作同様に、特にソール②関してはしっかりと作り込まれました。かかとへのケアをより高いレベルへと押し上げたのです。

このことがきっかけで、思わぬところから注目をあつめることになります。それは、スケートボーダーでした。トリックを多用するボーダーは都度、かかとや足首に負担がかかります。通常のスニーカーよりもフィット感が高く、確実に足を保護してくれるバスケットボールシューズは彼らにとって、願ったり叶ったりのシューズだったのです。

また大柄なシルエットは、ヒップホップとの相性も最高でした。大柄なシャツ、ダボッとしたパンツ、加えてバッシュ。90年代の流行の原点はこういったところに見出すことができるのです。

現在での人気

実は「３」自体の売上も、以降のモデルと比べるとあまり芳しいものとは言えませんでした。注目は集めたものの、爆発的な人気を集めるには至らなかったようです。

しかし、バスケットコートの先を見据えたデザイン戦略は、着実に消費者の心に届いていました。エア・ジョーダンはスニーカーの中でも特に復刻版やリメイクの多いシリーズです。「３」は、そのなかでもまっさきに復刻されたモデルでした。それだけコアなファンが多かったのです。

現在に至るまでに複数回、復刻モデルは発売されています。ラインナップを見るとベーシックな色使いが多いように感じられます。

そしてAIR JORDAN3に限らず復刻モデルのリークがあった際にはヒールロゴの「NIKE AIR」か「ジャンプマンロゴ」かで注目を集め当時のオリジナルのデザインを求める声が多いのはもはや定番となっております。