◎AIR JORDAN 9 (エアジョーダン9) を徹底解説!
ジョーダンの電撃引退に揺れた1993年。ナイキは、ジョーダンの魂はエア・ジョーダンでも生き続けるとし、この年2つ目のモデルを発売します。コート上では履かれることのなかった「エアジョーダン9」についてご紹介します。
製品の構想・設計
「エア・ジョーダン9」はジョーダンのシーズン中に開発が進められた一方、発表時にジョーダンが引退していたという数奇な運命を持つシューズです。また、1993年のみ複数のエアジョーダンモデルが発表されたという意味でも、ユニークな1足と言えるでしょう。
以上の経緯から、ジョーダンにフォーカスを当てるというよりも、バスケット界やスポーツ界に向けてのメッセージ性の強い商品となっています。ソール部分に日本語を含む複数の言語でスポーツへの姿勢を表しているのが特徴です。
シュータン部分はスタイリッシュにAIR JORDANと刻まれました。ジャンプマンロゴは、底面かかと部分に配置されています。
技術的な面に注目すると、「8」までに完成させた技術をユーザーの声に従って修正していった傾向が見えます。例えば、「7」「8」と立て続けに搭載されたハラチシステムは、フィット感が向上する反面どうしても蒸れてしまう構造にありました。ネオプレン素材だけでなくメッシュも複合することで、蒸れをなくし履きやすさを向上させています。
先代のやや攻撃的とも取れた「8」のデザインに比べて落ち着いたシューズとして仕上げられていますが、テクノロジー面では、格段に進化をとげています。そのうちの一つが、クイックシューレーシングシステム。これは、プラスチック製のシューレースホルダーとすべりのいい丸ヒモを組み合わせることで、素早くシューレースを締め上げるというシステムです。
なお「エア・ジョーダン8」には、野球のメジャーリーグに挑戦するジョーダンのために、ベースボールスパイクモデルも作成されました。ソール部分に金属パーツが搭載されているのが特徴です。これは一般向けにも45足限定で発売されました。
発売時期
1993年
ジョーダンの引退発表の後に発売されました。前述の通り、実際のNBAの舞台では見ることが叶わなかったモデルです。
ただし、ナイキとしてはジョーダン引退後も「エア・ジョーダン」ブランドの存続に社内で異論はなかったようで、逆に新たなメッセージを載せて、更に発展させていこう、という機運がでてきました。その現れの1つがソール部分に仕込まれた、各国の言葉の刻印。日本語でも「世界 スポーツ」と刻まれています。左右のソールを対称には作らず、独立したデザインで仕上げた意欲的なモデルでもありました。
ここに「エア・ジョーダン」が他のシグネチャーモデルとは一線を画した存在になったということを、うかがい知ることができます。通常のモデルであれば、シグネチャーを提供する選手が引退となれば、シューズ開発も終了してしまいます。しかし、ナイキは「エア・ジョーダン」をプレイヤーとしてのジョーダンから離脱させ、格を上げて、1つのシューズブランドとして成長させていくことを決断したのです。
このことは、「エア・ジョーダン」をバスケットボールという競技からさえも開放しました。15年後の2018年の仏サッカーチーム「パリ・サンジェルマン」とのスポンサー契約は世界に驚きを与えましたが、その萌芽はこの「9」に見ることができます。
「9」の発売と、現在に至るまで30年以上も「エア・ジョーダン」ブランドが継続していること、そして総合スポーツブランドとしての立ち位置。こうした点に「エア・ジョーダン」のシグニチャーモデルを超越した特異な性格が見て取れます。
ナイキの発売するシューズ・ウェア関連で、エア・ジョーダンは安定した売上を達成しています。
現在での人気
「9」は2020年までレトロ版をメインに、オリジナル以降も複数回販売されてきました。
比較的シンプルなシルエットと相まって人気の高いモデルと言えるでしょう。「8」のストイックさに比べれば、より履きやすく、より間口を広げたデザインをまとめたため「8」の対極に設定されたモデルと言えるかもしれません。「エア・ジョーダン」の販売チャネルの拡大意欲を意識させますね。
まとめ
いかがでしたか?今回はナイキの覚悟の表れとも言える、「エア・ジョーダン9」について解説しました。
ジョーダンにフォーカスしづらい環境、しかし「ジョーダン」としてのブランドは維持していく。「9」の構想段階ですでに次期モデル「10」のことも話されていたことでしょう。「10」はアニバーサリーモデルとして派手なキャンペーンも模索されていました。このビッグなモデルへのつなぎとして「9」が開発された向きもありますが、しかし「9」で採用されたデザインやテクノロジーは確実に次期モデル以降へと継承されていきました。現在から俯瞰しても、シリーズラインの中でとりわけ重要なモデルなのです。
前述の通り、レトロ版が多く販売されたこともあり、他モデルに比べるとバリエーションが豊富な「9」。ぜひチェックしてみて下さい。
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