◎「サボテン」「リンゴ」「ジャージ」に「ビール」共通点はなんでしょう?
家でのくつろぎ時間のアイテムでしょうか?
実は全部ファッションアイテムの原材料です。
近年、地球環境の悪化が深刻化する中、ファッション業界でも原材料から流通まで、より環境に負荷のかかりにくい「サステナブル」=「持続可能な」方向へと転換する取り組みがなされてきました。
このコラムでは、珍しい原材料から作られた「サステナブル」なアイテムをブランドとともにご紹介してみたいと思います。
目次
「CACTUS TOKYO」のサボテンレザー
「CACTUS TOKYO」はサボテン由来のレザーアイテムを提案する日本のサステナブルブランドです。
「CACTUS TOKYO」のアイテムはメキシコで有機栽培された
サボテンを原料とする「Desserto」という
ヴィーガンレザーをメイン素材に、裏地はリサイクルポリエステル素材が使用されています。
サボテンレザーはサボテン繊維と植物由来の樹脂から作られます。
「その生産過程から乾燥地帯への植林効果」や「それによる生態系の回復」が見込めると言われています。
製品の1点1点は選びぬかれた職人によって丁寧に作り出され、購入から1年間の保証期間が設けられています。
「Desserto」の特徴は「肌触りの良い柔らかさと、水や摩擦に強いしなやかさ、
軽さ、そして長期の耐久性」です。擦り傷にも強いようです。
公式オンラインストアでは各アイテムの詳細や「サステナビリティ」項目でカーボンフットプリント※が確認できます。
※カーボンフットプリント(Carbon Footprint of Products:CFP):
原材料調達から製品となるまでに排出される温室効果ガスを CO₂に換算して
表示する仕組み
「LOVST TOKYO」が提供する廃棄リンゴから生まれたヴィーガンレザー
「LOVST TOKYO(ラヴィストトーキョー)」は廃棄リンゴから生まれたアップルレザーをメインに植物由来のプロダクトを提供している日本のライフスタイルブランドです。
原材料のアップルレザーには主にイタリアンアップルレザー「Apple Skin (アップルスキン)」が使用されています。
アップルレザーは、廃棄リンゴ由来の素材とポリウレタン樹脂を合成して作られます。
従来の合成皮革と同じく軽量で水に強いという特徴があります。
それでいて、従来の合成皮革よりも石油由来の原料を抑えることができるのがメリットです。
他には、株式会社共和ライフテクノの技術協力のもと開発された青森県産アップルレザー「aplena(アプレナ)」を採用したアイテムも登場しています。
原材料が国産なので、海外からの輸入に比べてCO₂排出量の削減が期待できます。
アップルレザー以外では、ブランド初のワインの搾りかす由来のグレープレザーを採用したアイテムなどもあります。
ラッピング素材も環境に配慮したものを採用したりリペアサービスを提供していたりと、製品そのものだけではないサービスを提供しています。
公式サイトでは各プロダクトの詳細とともに、各アップルレザー誕生のヒストリーや
製造工程などが紹介されています。
自社アイテムを回収して新たなプロダクトを誕生させるーデサントの「RE: DESCENTE(リ:デサント)」
日本のスポーツウエアメーカーであるデサントジャパン株式会社は、サステナブルを考慮した取り組みとして「RE: DESCENTE(リ:デサント)」を開始しました。
2020年6月からDescente Blanc(デサントブラン)全店舗にリユース品の回収ボックスが設置され、デサントの全商品を対象にした回収がスタートしました。
集められた製品は、また新しいデサント社製のアパレルアイテムへと生まれ変わります。
リユース品の他にも、お客様へは届かなかった在庫を組み合わせて新しいプロダクトを生みだし、販売する動きも始まっています。
「RE: DESCENTE」のブランドの一つである「RE: DESCENTE BUILD」から誕生したアップサイクル品には、ポケットが途中で切れているデザインや、中にはあえて元生地を裏返しで使用しているアイテムがあるようです。
偶然やあえて生みだしたデザインとしての「違和感」が、従来の既製品とは違った「アップサイクル」ならではの魅力です。
公式サイトではアップサイクルプロダクトが生まれるまでの製造工程が詳しく紹介されています。
ビールの副産物から生まれたブラックジーンズーサッポロビール「黒ラベルMalt & HopsJeans」
日本の大手ビールメーカーサッポロビール株式会社からは、ビール製造での副産物からブラックジーンズが誕生しました。
麦汁をしぼった後に出る「モルトフィールド」という搾りかすと、ホップの茎や葉を使用してパウダー状にしたものから和紙の原料パウダーを作成し、そこから更に麻をまぜて和紙を作り加工した糸が、デニム生地の横糸に使用されています。
和紙から作られた糸は綿糸と比べ軽量で、表面に毛羽が立たない滑らかさが特徴です。
レザーパッチと、ピスネームにはビールと同じ「星」のマークがあしらわれ、リベットには「稲の穂」が刻まれています。
ビールカラーと同じ「イエローセルビッチ」をアクセントにした、細部までこだわりのデザインです。
現在はサッポロビール「CLUB黒ラベル」にて購入が可能です。
不要になった衣類をリユース
衣類の消費によって起こる環境への悪影響を食い止めるために
私たちができることの最適解は、実は、ものを長く愛用して服の消費自体を減らすこと
ではないでしょうか。
けれども、例えば厳選した良質なものだけを選択したミニマリストのような生活をしたとしてもある程度の衣類は必要であり、都度消費することにはなります。
そこで我々古着屋の出番です。
リユースは例えば、リサイクル品などのような再生産コストは基本的にかかりませんし、製造に伴う廃棄物質も排出されません。
環境問題に向き合った時、古着をリユースすることはとても利にかなった方法ではないでしょうか。
手放したくないものを無理にお売りする必要はありません。
でも、もしご不要になったお譲りしたいと思う何かがあれば、是非、当店に一度ご相談ください。
勤務10年以上の知識ある専門スタッフも在籍しておりますのでアパレルブランドご心配は無用です。
★商品を一つ一つ丁寧にメンテナンスし、次の方にお渡しする★
という役目を果たしていることも共感され喜ばれています。
URL https://golragoon.com/shop/mizuho/
皆さんも古着で一緒にSDGs貢献にトライしてみませんか。
未来にむけて-サステナブルアイテムの展開と広がる可能性と課題
今回は、各々「サステナブル」=「持続可能な」をキーワードに
原材料から厳選され、創意工夫を凝らしたものから、ちょっと変わり種なアイテムまでご紹介してみました。
ラッピング素材も環境に配慮したものを採用したりリペアサービスを提供していたりと、製品そのものだけでないサービスを考えて提供しているブランドもありました。
お時間が許す方は是非各アイテムのサイトを覗いていただけたらと思います。
今回ご紹介したアイテムも、実はまだ環境問題に繋がる、原材料としての
ケミカルな物質の削減や製造段階での排出物の抑制を100%できているという訳ではないようです。
けれども、着実に努力や進歩はなされていて、わずかであってもいい方向にシフトしているのもまた事実ではないでしょうか。
私たちを取り巻く環境問題は、依然、大変深刻で厳しいものです。
今回のコラムが消費者としての行動を振り返るきっかけとなれば幸いです。
参考:
CACTUS TOKYO「インタビュー ゲスト:DESSERTO MARTINさん」
https://cactus-tokyo.com/blogs/blog/20230822
LOVST TOKYO「Italian Apple Leather
Apple Skin TM」
https://lovst-tokyo.com/pages/apple-skin
ULLR MAG.(ウルマグ)「サステナビリティ(持続可能性)を考慮した取り組み「RE: DESCENTE」とは?」
黒ラベル会員サイトCLUB黒ラベル「黒ラベルMaltHopsSeriesBLACKDENIMJEANS&MA-1」
https://theshop.c-kurolabel.jp/jeans_black/
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