アパレルブランドのコラボについて(その歴史や意味)
世界で初めてのコラボ?!コラボの歴史とは・・・
世界で初めてコラボしたブランドが何だったのかを調べましたが残念ながらはっきりとした記録を見つけることはできませんでした。というのも何を持ってコラボとするかを決めることは難しいためです。しかしアパレルブランドに限ると、アパレル業界にブランド概念が生まれてからになるため、つまり少なくともここ100年間ぐらいの間と推測することができます。
そもそもコラボは正式に「コラボレーション(共同、共作、合作)」という言葉です。似た言葉に「別注」があります。コラボ商品はA社とB社が共同開発した商品ですが、別注はA社がB社に依頼した商品になるため企画が全くの別物になります。
アパレルブランド業界でコラボが盛んになるのは04年にスウェーデンのファストアパレルブランド「H&M」とハイファッションブランドの「カールラガーフェルド」からと言われています。当時ファーストファッションがブームになりつつある時勢の中、このコラボの実現はその勢いをさらに加速させるような出来事でした。その後H&Mは「ステラマッカートニー」などのビッグネームデザイナーや「マドンナ」などの著名人とのコラボ商品を発表し一気に世界的なブランドとして成長を遂げました。
コラボのメリット×デメリット
ではコラボがブランドにもたらすメリット、デメリットについてみていきましょう。
・メリット
1. ブランドの成長と若返り
コラボを行うことにより、外からの刺激や今まで気づけなかった視点を取り入れることができ、結果的にブランドの成長につながるというメリットがあります。また老舗ブランドであれば、新進気鋭のデザイナーや若い世代とコラボすることで、定着したブランドイメージを一新し若返りをはかることもあるでしょう。
2.顧客層の拡大
異業種や異なる顧客層を抱えるブランドとコラボすることで、結果的に両者の抱える顧客層をシェアできたり、層自体を拡大させる狙いがあります。また隔たりのあるブランド同士がコラボすることで話題性や意外性が生まれることもあり、結果的にブランドの認知を広める効果につながったりもします。
・デメリット
1.コスト面
消費者には直接関係がないかもしれませんが、開発側からすると、コラボする相手ブランドのリサーチや、企画立案などのスケジュール調整など、外部と仕事を進めなければいけないため、自社開発するよりも時間や手間がかかってしまいます。
2.ミスマッチによるイメージダウン
ブランドの共作によって相乗効果が生まれなかった場合は、どちらにとってもイメージダウンにつながってしまい、結果的にファンを失いかねないためそれ相応のリスクがあります。
またコンプライアンス問題などの社会通念上の問題についても、相手次第という面もあり慎重にならざるを得ないポイントではないでしょうか。
色々なコラボの実例
「グッドイナフ(裏原宿アパレルブランド) × POTER(バッグブランド)」
90年代後半、主に日本において一大旋風を巻き起こした裏原宿系の雄「グッドイナフ」と同じく当時人気を博していたバッグブランドの「POTER」がコラボしたウエストバッグやDJバッグなどのカルチャー色の強いアイテムが話題になりました。当時はダブルネームなどと呼ばれ、希少性も相まって発売されるも数分で即完、開店前には長蛇の列というような光景も見られました。
「Louis Vuitton(ハイファッションブランド) × 村上隆(コンテンポラリーアーティスト)」
2002年に話題を呼んだコラボレーションです。老舗ファッションブランドとアーティストのコラボという異色のコラボで、ブランドのアイコンでもあったモノグラムをカラフルにした「モノグラム・マルチカラー」は世界で爆発的な人気になりました。
「ユニクロ(アパレルブランド) × ジルサンダー(ハイファッションブランド)」
2000年代後半から始まったユニクロ × デザイナーブランドのコラボですが、当初は著名アーティストなどがコラボ相手の主流でした。しかし2010年代初期頃からジルサンダーや、クリストフ・ルメール、近年はマルニ などのハイファッションブランドとのコラボアイテムも発表されており、ブランドイメージを展開がはかられていますね。
まとめ
以上がアパレルブランドのコラボについてのご紹介になります。こうみてみるとやはりコラボに積極的なブランドはハイファッションブランドや、老舗ブランドの他、世界的なブランドがメインになっていることが分かりますね。メリットやデメリットを考えるとそれなりのネームバリューや余裕がないとなかなか実現しないのかもしれません。
しかし、そんな中でも裏原宿系のドメスティック系ブランドやストリートブランドなどがいち早くコラボに着手していたことには先見の明を感じます。
利益を第一に考えることも重要ですが、それだけではない友達感覚や、仲間意識といったものが、共作のベースになる原動力になのかもしれませんね。
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