◎最近よく聞く「アップサイクル」ってなんだろう？

「アップサイクル」という言葉、皆さんご存知ですか。古着好きな方には既におなじみの言葉かもしれません。初めて聞く方、聞いたことはあるけれどよくはわからない方もいらっしゃるかもしれませんね。

「アップサイクル」は「持続可能な」未来のための世界共通の目標「SDGs」とも深い関わりがあります。

このコラムでは「アップサイクル」について実例をあげながら解説してみたいと思います。

「アップサイクル」も「リユース」も再利用という点では同じ仲間

衣類の再利用の場面でもよく使われる近い言葉に「リユース」や「リメイク」があります。”再利用”という意味では同じですが「アップサイクル」はまた少し違う意味を持ちます。

ちなみに当店でお取り扱いしている古着は「リユース」に分類されます。

手を加えることで新たな価値のある「モノ」に生まれ変わらせ活用する

「アップサイクル」とは、そのままでは廃棄されてしまうようなアイテムに
デザインやアイデアを加えることで新たな価値のある「モノ」に生まれ変わらせ活用することです。

付加価値を与えることで新たに「モノ」としての寿命が延びた「アップデート品」と考えてもいいかもしれません。

もとの物より価値が上がるのが特徴です。

日本でも「アップサイクル」の考え方は昔から存在していました。
例えば、割れたり欠けたりしてしまった陶磁器を漆と金を使用して補修する「金継ぎ（きんつぎ）」という伝統技法があります。
継ぎ合わせた部分に金粉をつけることで新たなデザインのように感じさせる「金継ぎ」はまさに「アップサイクル」です。

反対に「ダウンサイクル」という言葉も存在します。
「ダウンサイクル」とは、不要になった物をただそのまま廃棄するのではなく、もとの「物」よりも価値は下がるけれど別の「モノ」に生まれ変わらせて活用することです。
例えば、古布を雑巾として再利用するなどが「ダウンサイクル」にあたります。

 

「SDGs（Sustainable Development Goals）＝持続可能な開発目標」との関係――手段としての「アップサイクル」

「アップサイクル」は、2015年9月に開かれた国連サミットで採択された
世界共通の目標である「SDGs（Sustainable Development Goals）」と深い関係があります。

一番深く関わりがあるのはSDGsの12番目の目標「つくる責任 つかう責任 ──すべての人の意識と行動をシフト」ではないでしょうか。

近年、ファストファッションの流行などで衣類の過剰生産、大量廃棄が大きな問題となっています。抑制のためには、企業側からのアプローチと製品を実際に使う消費者側からのアプローチのどちらも欠かせません。

衣類の製造段階で発生する端材も、無駄にせず「アップサイクル」して活用できれば、マイクロプラスチックの放出削減になります。
マイクロプラスチックの放出削減ができれば、「SDGs」の14番目の目標「海の豊かさを守ろう ──海洋保全から廃プラ問題まで」の達成へと繋げることもできそうです。

 

日本のファッション業界における実例－ゴールドウインの「GREEN BATON」

日本の大手スポーツアパレルメーカーの株式会社ゴールドウインは
2022年７月に、自社リセール事業であるサステナブル・レーベル「GREEN BATON(グリーン・バトン）」を始動しました。
ゴールドウインは「ザ・ノース・フェイス（THE NORTH FACE）」を展開している会社ですね。

「GREEN BATON（グリーン・バトン）」では
「手から、手へ。つないでいこう、未来のために。」をキャッチコピーに
サイズアウトとなった子供用のスポーツウエアなど、お客様が不要となった自社製品を
買取り、クリーニングしています。

その上で、ワッペンなどをあてて補修する「リペアカスタム」をしたり
製品から材料を集めて継ぎ合わせたり、染色し直したりした「アップサイクル」品をリセールしています。

「GREEN BATON（グリーン・バトン）」の製品にはその「証」として「グリーンバトン」をイメージしたデザインが新たに施され、他にはない「1点モノ」という価値が付加されます。

「GREEN BATON」のサイトにはキュートなオリジナルの「あしらい」が加えられているアイテムも並んでいます。見ているだけで楽しくなるラインナップです。

当店のリサイクルミッションは「次のお客様にBATONを繋ぐ」こと

手段は異なりますが当ragstation瑞穂店でも、お客様のご不要となった大切な衣類を次のお客様へ繋げるよう、微力ながら日々お手伝いさせていただいています。

廃棄するのではなくガーナに服送って再利用も行っております。

店頭で販売しているお品物はできる限りLGスタイラーを使い、クリーニングをして再利用していただけるようにつとめています。

「もう十分活用したから別のどなたか大事にしてくれる方にお譲りしたい」
そんな方は、是非一度当店をご利用ください。

未来のより良い毎日のために、一緒にベストな選択をしていきましょう！

 

 

URL https://golragoon.com/shop/mizuho/

 

 

 

参考：
講談社SDGs by C-station「アップサイクルの意味と定義」
https://sdgs.kodansha.co.jp/news/knowledge/40580/#section-1-1
ELEMINIST「ゴールドウイン「GREEN BATON」サイズアウトしたジュニアスキ－ウエアを新たな製品へ生まれ変わらせリセール」
https://eleminist.com/article/3055
GREEN BATON「販売アイテム」
https://www.goldwin.co.jp/greenbaton/buy/
環境省「サステナブルファッション」
https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/